大きな地震が来ると、送電線の保安点検のため一時的に停電になるケースがあります。
阪神・淡路大震災、東日本大震災では、電気器具の転倒による火災や停電後の電気復旧時に火災が発生する通電火災が多発しました。
〈大地震発生時の発火原因〉
※(公社)日本火災学会「2011年東日本大震災火災等調査報告書(完全版)」によるデータをもとに当協会が作図
大地震発生時、発火源の過半数は電気が原因となっており、電気が原因の火災対策に効果的とされるのが感震ブレーカーです。
〈感震ブレーカーとは〉
地震時に設定以上の揺れを感知した際、電気を自動的に止める機器です。
一般的なブレーカーは漏電には対応していますが、地震による火災対策には効力がありません。
感震ブレーカーは、地震を感知してから電気を止めるまでに数分間の猶予を持たせるタイプや、特定のコンセントの電気を遮断させるコンセントタイプなど、さまざまな種類があります。
〈主な感震ブレーカーの種類〉
①分電盤タイプ(内蔵型)
・分電盤に内蔵した感震センサーが地震を感知し、主幹漏電ブレーカーを切って電気を止めます。
※電気工事が必要
②分電盤タイプ(後付型)
・既設の主幹漏電ブレーカーに感震センサーを接続するタイプで、内蔵型同様、主幹漏電ブレーカーを切って電気を止めます。
※電気工事が必要
※既設の分電盤近辺のスペースや主幹漏電ブレーカーの種類によっては、後付けできない場合あり
③コンセントタイプ
・コンセントに内蔵した感震センサーが揺れを感知し、当該コンセントからの電気を止めます。
※電気工事は必要、不要の2タイプあり
④簡易タイプ
・揺れによる重りの落下やバネの作動等により、主幹漏電ブレーカーを切って電気を止めます。
※電気工事が不要、ホームセンターや家電量販店で購入可能
設置に電気工事を伴うものはお近くの電気工事店へ、電気工事を伴わないものはお近くの防災用品等を取り扱う店舗へお問合せください。
ご家庭の状況によって使い分けることが可能ですので、この機会にぜひ設置をご検討ください。ただ、感震ブレーカーを取り付けたからといって、安心してはいけません。もしもの時のために住宅用消火器を用意するなど、二重三重の火災予防対策を講じることが必要です。